4HNE, 8-OHdG, 1A4, 13-HODE, 3-Nitrotyrosine
4HNE(4-ヒドロキシノネナール)染色
4HNE染色は酸化ストレスを起こした組織では基本的に細胞質に染まります(核にも染まることはある)。通常の免疫染色とは異なりホルマリン固定では非特異的な反応が多く、無処置の肝臓でも染まってくるため、ホルマリン固定組織は、核だけに染まることが多いので要注意。固定はブアン固定がデータ的に相関します。
8-OHdG染色
8-OHdG染色は酸化ストレスを起こした組織では基本的に核に染まります。8-OHdGの場合は酸化ストレス負荷後、数時間~数日でピークを迎えその後フィードバック機構が働き正常値レベルまで戻るため、血中および尿酸値のデータも並行して、解剖時期を決定することが基本です。この点を見誤ると、免疫染色した際に発現が全くないなど相関しないことが多々あるため、初めて実験される方はいきなり本染色をされるのではなく、まずは酸化ストレスがどこでピークを迎えるのかを確認(予備試験を数回繰り返されて)して、確実に染まってくるポイントを取られることをまずお勧めします。通常の免疫染色とは異なりホルマリン固定やPFA固定では非特異的な反応が多く、無処置の肝臓の核もあたかも酸化ストレスを起こしたかのような像に染まってくるため、ホルマリン固定組織で染めた8-OHdGは、データの信頼性がないです。固定は「ブアン固定」がデータ的に相関します。
注意!!固定液の選択を間違った場合の8-OHdGの染色性の違い(肝臓・腎臓編)
無処置の肝臓をホルマリン固定した場合の8-OHdG染色像
左写真は、酸化ストレスのない、無処置の肝臓です。肝細胞の核に8-OHdGの発現がすべてに認められます。
固定液の選択を間違えると、このような像になり、あたかも酸化ストレスが起きているかの様な病理像になってしまうため注意が必要です。
無処置の腎臓をホルマリン固定した場合の8-OHdG染色像。
酸化ストレスのない、無処置の腎臓です。尿細管上皮細胞の核に8-OHdGの発現がすべてに認められます。ホルマリン固定で染色すると無処置でもあたかも酸化ストレスがかかったような像を示すのが特徴です。またすべての核がうっすらと染まるのが特徴です。従いましてホルマリン固定で8-OHdG染色を実施すると信頼性が担保できません。ホルマリン固定したサンプルは必ず出るので注意!
13HODE(13-hydroxy octadecadienoic acid )染色
13‐ヒドロキシオクタデカジエン酸は酸化ストレスを起こしている肝細胞の細胞質に発現することが多い。
HEL染色
HEL染色は、初期の酸化ストレスマーカ-と言われる。8-OHdG染色や4HNE染色は後期の酸化ストレスマーカーなので、もし染まってこない場合、HEL染色すると染まる場合がある。